第22回 日本統合医療学会 発表演題
リフレクソロジーによる下肢療法で頭痛が改善した1症例
背景
統合医療におけるリフレクソロジー(以下リフレ)とは足裏の反射区や蓄積物にアプローチし、生体エネルギーの巡りを整える相補代替医療である。下肢への刺激で体液循環が促され、種々の症状が改善されることが明らかになっている。
目的
慢性的な頭痛を有するクライアントに対し、リフレによる下肢療法が頭痛改善とQOL変化を検討することを目的とする。
方法
28歳女性、事務職を対象者とした。週に2、3回の頻度で朝から後頭部に鈍く重い痛みがあり、市販の鎮痛剤を服用していた。頭痛と比例して、吐き気、めまい、倦怠感、首や肩の痛みがあった。これに対してリフレを行う施術部位は足裏から大腿部とし、1回の施術時間は60分とする。週1回のペースで1ヶ月間(計4回)、その後は2週間に1回のペースで計2回、合計6回の施術を行った。1週間ごとの頭痛回数をカウントするとともに、頭痛発症時における最大の痛みをペインスケール(VAS評価:0を痛みはない、10を今までにないほどの痛み)にて経過を観察した。また、初回、4回目、6回目には頭痛インパクトテスト(HIT-6:49点以下は日常生活に支障なし、60点以上は重度の支障)にてQOL評価を行った。なお、対象者には十分な説明のもと書面での合意を得て行った。
結果
初回から6回目までの頭痛回数の経過は「2回→3回→3回→2回→0回→0回」であり、頭痛発症時のVAS評価の経過は「4.5→5.0→2.7→1.0→0→0」であった。HIT-6によるQOL評価は「初回73点→4回目54点→6回目0点」であった。
考察
継続してリフレを受けることで慢性的な頭痛が改善し、QOLが向上することが確認された。統合医療の一環として苦痛のない生活援助の可能性があると考察する。
結語
リフレによる下肢療法によって頭痛の改善が可能であることが示唆された。今後は症例を増やして検討する必要がある。